都会では助かったかもしれない命が,遠隔地では失われてきた.高次医療機関までの搬送に時間を要するからだ.
八戸も例外ではなかった.患者の良好な予後を望むには,心肺停止発生から短時間での体外循環式心肺蘇生(ECPR)が有効である.
現在,この条件を満たす地域は,都市部の救命救急センターのみである.医療過疎地での成功は困難であった.
本研究では,院外に出動してECMOを使用したECPRを行うことに救命の大きな可能性があると考えた.
そこで我々は,傷病者発生現場でECMO装着手術を行うことのできる「移動型緊急手術室ドクターカーV3」を開発した.